オイルメンテナンス ~家具と始めるストーリー~

無垢材の家具の魅力は、なんといっても木そのものの味わいが感じられるところ。一本の木から作られた家具は、同じものがひとつとしてなく、唯一無二の存在です。自然の木に近い状態のオイルで仕上げられた家具は、手にしっとりと吸いつくような感触が楽しめます。

 

無垢材の家具は、家具として作られてからも木が生きています。生きているからこそ、温度や湿度の変化に敏感で、乾燥することで割れや反りの原因となります。汚れを防ぐためにオイル塗膜していますが、時間とともにオイルは揮発して、色艶が薄くなっていきます。また、オイルは水に弱いので、グラスを置いたままにしておくと輪染みになったりしてしまいます。そのため、定期的なオイルメンテナンスが不可欠です。

 

オイルメンテナンスと聞くと、初めてだと難しくとらえられる方も多いのですが、実際にやってみるととっても簡単に、あっという間にできてしまうので、是非怖がらずに挑戦してください。

 

木の表面がかさついてきたり、光沢がなくなってきた頃がオイルメンテナンスの時期です。
普段の使い方にもよるんですが、3ヶ月から半年に1回は行っていただきたいですね。
 
使うキットはこちら。
 

  • メンテナンスオイル
  • あて木
  • サンドペーパー #320
  • サンドペーパー #240
  • ウエス(古布)
  • 雑巾

 

 
まずは、オイル塗装を行う前に、木の表面をきれいにするため、全体的にサンドペーパーをかけていきます。
傷や汚れが目立つ場合は、最初に目の粗い#240を使用します。
 

 
ちょうどここに引っかいたような傷がありますが、これくらいなら消えると思いますよ。
こうやって多少の傷や汚れを、お手入れできれいにできるところが無垢材の家具の良いところですよね。
 

 
この時、絶対気をつけていただきたいのが、木目に沿ってかけるということ。木目に逆らうと傷ができる原因となります。
全体にやすりがけが終わったら、目の細かい#320を使用して仕上げていきます。
 
その後、濡らした雑巾で木の粉をきれいに拭き取ります。
 

 
いよいよオイルを塗ります。
 

 
ウエスにオイルを染み込ませ、それをテーブルに塗っていくのが本来のやり方です。
だけど、少しずつやっていくとムラになってしまう恐れがあるので、ぼくが推奨するのは、テーブルに直接オイルをのせ、それをウエスで伸ばしていく方法。
ちょっとビックリするかもしれませんが、この方がムラなく、スピーディーに綺麗に仕上がります。
 

 
コツは、素早く、大胆に!
ちょこちょこやっていると、木がオイルを吸い込んでいってしまいます。
これも、やすりがけの時と同様、木目に沿って行うことが鉄則です。
 

 
全体的にオイルを塗布したら、乾いたウエスで余分なオイルを拭き取ります。
あとはオイルが乾くのを待つだけ。
意外と簡単ですよね。時間にしても30分ほどで終わります。
 
ほら、さっき傷があったところ、すっかり綺麗になりましたよ!
 

 
オイルメンテナンスをすると、艶が出て、色味も深くなり、とても綺麗になります。
このしっとりとした手触りはオイル仕上げならでは。
 
無垢材の家具を購入される際には、必ずオイルメンテナンスの必要を説明します。
中には、面倒だからって躊躇される方もいらっしゃいますし、小さなお子様がいると汚れが気になるかもしれませんから、ライフスタイルに合わせて購入されることをおすすめしています。
 
無垢材の家具は、買って満足、じゃなくて、買って、使って、育てていくところで満足できると思います。家族の形が変わっていくように、時間の経過とともに味わい深く成長していく、次世代にも残せる家具です。
お子さんが大きくなったら一緒にお手入れできる、っていうのも、長く使える家具ならではの楽しみですよね。
 
 

編集:Mammy Pro